【ヤマト運輸】下請け業者・傭車の仕事内容を解説します。

2019年4月22日

私は現在の会社に勤める前は、町の小さな運送会社でヤマト運輸の下請けの仕事を主に行っておりました。

その会社では8割方がヤマト運輸、その他にコンビニの配送市場への野菜の配送の仕事をもらいながら回している形でした。

小さな運送会社ですから頂く仕事を選んだりすることは出来なかったらしく、今考えるとなかなかデンジャラスな運行形態で走らされたりしたこともしばしば‥‥。

今回はその私の経験からヤマト運輸の下請けについてお話していきたいと思います。

専門用語

詳しく話をする前にトラック業界とヤマト運輸で使われる業界用語を解説します。地域によて違うのかもしれませんが参考までに。

傭車

大手の運送会社が自社の人件費を抑えるために他社(比較的小さめの会社)のトラックを雇ったりします。そこで雇われたトラックを傭車と呼びます。

大手の会社の正社員ともなると人件費も高いので傭車を雇った方が安く済むし、多少きつい仕事を任せても心が痛まないから傭車は重宝されています。

下請けに支払われる賃金は「一日○○万円」とざっくりで支払われることが多く、そこから会社にマージンを引かれ、残りが自分の懐に入るといったイメージで考えるといいでしょう。

ジットボックス(JITBOX)

大量の荷物をトラックの荷台に一つずつ積んでいたのでは効率悪いです。なので荷物はジットボックスと呼ばれる縦1.04m×横1.04m×高さ1.7mのかごにまとめて積み込まれます。

それをそのままトラックに積み込み、荷下ろし時もそのまま下ろします。

何も入っていない状態のジットボックスを空カゴと言います。

ベース

各都道府県に一つ、もしくは二つほどヤマトの大規模な倉庫があります。多くのトラックが昼夜問わず出入りすることもあり、近隣に迷惑のかからない場所を選んで建設しているので、なかなか見たことのある方は少ないと思います。

そのヤマトの物流倉庫を「ベース」と呼びます。

ここには、その県で集荷されたすべての荷物が一堂に集められ、それをアルバイトの方々が行先ごとに仕分けしていき、また全国へと出荷されていきます。

初めてベースに行ったときはその圧倒的な規模と人と荷物の多さに度肝を抜かれました。自分がこの国の物流を担っているんだと誇りを持てるほどに衝撃を受けたのを今でも覚えています。

営業所

町でよく見かけるヤマト運輸の2トンの集配トラック。あれが拠点としているのが各地域に点在しているヤマトの営業所です。誰でも一度は目にしたことがあるはずです。

集配トラックが集荷してきた荷物は営業所に集められ、そこから全国に出荷する準備のためにまとめてベースへ運ばれます。

また、ベースからこの地域あての荷物がまとめて運び込まれ、それをさらに細かい担当地域へ配送するのが集配トラックの役割です。

横持ち

ベースから営業所へ、営業所からベースへジットボックスを運ぶのを横持ちと言います。

横持ちドライバーはジットボックスを運ぶのだけが仕事なので、直接荷物に触れることはありません

誤着拾い

毎日大量の荷物を取り扱うので、中には住所が本来行くべき場所ではない営業所に混ざってしまうことがあります。誤着です。

この誤着を近隣の営業所から集めて再びベースへと戻すことを誤着拾いと言います。

➡➡職業差別を受けた話。

仕事内容

ここでは実際に私がやっていた横持ちドライバーの傭車の仕事内容についてお話していきます。

一口に横持ちドライバーといっても出勤時間も業務内容も異なるのでここで述べることがすべてではありませんが参考までに。

出勤時間

ヤマトの朝は早いです。朝一にベースへと入る時間をヤマトから指定されるので、そこから逆算して出勤時間を決めます。

私のやっていたコースは、朝6時にベースへと入らなければならない便だったので、自分の会社への出勤は朝4時半くらいでした。

ベースに着いたなら傭車は近場の道路で路駐で待機して、連絡があり次第ベースの構内へ入ってトラックを着けます。

トラックを着ける場所はあらかじめ決まっており、自分が積むべきジットボックスがすでに何本か用意されている状態です。

ベースからの積み込み

積み込みは非常に簡単です。本当に拍子抜けするくらい簡単。

自分に割当てられた営業所宛てのジットボックスをガラガラーっと積むだけです。行先さえ間違わなければ素人が行っても特に問題はないでしょう。

大型トラックには16本のジットボックスを積載可能ですが、本数は荷物の量に応じて増減します。繁忙期は16本マックスで積んだり、閑散期は13本だったり。

ジットボックスにはキャスターが付いていて、そのままでは運転中に動いてしまうで、ラッシングベルトと呼ばれる固定用に特化したベルトで固く締めておきます。

6時から積み込み開始して6時30分には出発できます。

回送

ベースを出発したら各営業所へと向かいます。特に時間の制限はないですが、到着すると集配トラックドライバーが首を長ーーーくして待っているので、あまりのんびりは出来ません。

あくまで安全運転で出来る限り急いで行きます。

7時半に営業所へ着きます。

荷下ろし

荷下ろしは営業所の構内担当者の方がフォークリフトで下ろしてくれます。自分は荷台に上がってそのサポートをしていれば大丈夫。

担当者不在の時は自分でフォークリフトに乗り荷下ろしする場合もありますが、それでも大して苦にはなりません。

大体20分もあればすべての荷下ろし作業は終わります。

8時くらいから暇になり、ここから10時半まで営業所の構内で待機となります。この時間は寝ててもご飯を食べてもいい本当の自由時間です。

営業所からの積み込み

10時半になったら集配が集めてきた荷物や、お客さんが直接持ち込みしてきた荷物が入ったジットボックスを積んでベースへと出発です。空カゴも積んだりします。

この時の積み込みもフォークリフトでやってもらえます。自分はそのサポートです。

ベースで荷下ろしと積み込み

11時半ベースへ到着。

営業所からベースへと回送したら荷下ろしです。ここでの荷下ろしは自分で全て行います。

下ろし終わったら、自分の分のジットボックスが用意されているのですぐに積み込み。朝と流れは一緒です。

12時半出発。

回送・到着・荷下ろし

13時半営業所到着。

午前中と全く同じ流れで作業は進みます。

14時作業終了。

ここからまた16時半まで待機となります。ここも何をしていてもいい自由時間。

最後の営業所からの積み込み

この日最後の営業所からの積み込みです。集配ドライバーが一日かけて集荷してきた荷物なのでかなりの物量となりますが、これもジットボックスなので積み込みはあっという間です。

ここで積み込み忘れがあると配達に支障が出るので忘れ物が無いように細心の注意を払います。

17時出発。

回送・ベースへ到着・荷下ろし

18時ベース到着。

ここでの荷下ろしは早い者勝ちとなるので、ベースに早く到着した傭車から順に構内に入って荷下ろしができます。

しかし!!!!

ヤマトの正社員の乗るトラックが来たら、傭車は先に順番をあけ渡さなければならない暗黙のルールがあります。ですがあくまで仕事をいただいている立場なので奥歯を食いしばって我慢しましょう(笑)。

順番が回ってきて荷下ろしが終わったらヤマトでの仕事は終了です。あとは自分の会社に帰って給油&洗車や、業務報告を済ませてやっと一日の仕事が終わります。お疲れ様でした。

20時仕事終了。

次の日も朝4時半出勤なので早めに帰って休息します‥‥。

こちらの記事も合わせてどうぞ。

➡➡自動運転化で運転手の仕事はなくなる!?

➡➡トラックドライバーの仕事内容

➡➡トラックドライバーはハゲやすい‥‥!?

まとめ

いかがでしょうか。

私の勤めていた会社ではこんな感じでしたが、各会社によって運行形態は変わってくるとは思います。

拘束時間が異常に長く16時間運行ギリギリでしたが、積み込み・荷下ろしともに体力を使うわけでもなく、待機時間中に仮眠を取ったり出来るのでそこまでキツイという印象はなかったですよ。

トラック運転手の仕事の中では、初心者の方でも比較的簡単にこなせる部類には入るはずです。

大型免許取りたての方はヤマトの傭車から始めて、徐々にキャリアを積んでいくのもありだと思います。まあ、一度ヤマトの傭車をやると体が楽過ぎて他の仕事をしたくないって人も大勢いましたが(笑)。

ざっくりでしたが、以上で説明を終わります。

もっと細かく業務内容を知りたい方はコメント欄から質問お願いします。

それではまた次のブログで。