【タイヤ脱輪!】トラック運転手の笑えない失敗談。

2019年6月16日

おはようございますトレンディパパです。

今回は私がトラック運転手になって一年目にやらかした笑えない失敗談をお話しようと思います。私はマジで笑えませんでしたが、みなさんはどうぞ好きなだけ笑ってやってください。

今回こんな恥ずかしいことを晒すのは皆さんに同じ思いをしてほしくないから。

私と同じ失敗を皆さんがやらかすとは思いませんが、日ごろから気を付けて仕事に取り組んで欲しいという思いをこめて、こんな記事を書きます。

それではどうぞ。

何が起きたのか

それは私がトラック運転手になって半年ぐらいの時だった。

当時私が勤めていた運送会社は、「一人にトラック一台、乗り回し無し」が基本だったが、新人の私はまだ担当のトラックを与えてもらえなかった。

なので当時の私のシフトといえば、先輩が休みの日に代打として出勤するという勤務体系が主だった。

人数が多いため、毎日先輩方の誰かは休みを取るのでそこを埋めるために私がいるのだが、これがなかなかにキツイ。

なぜなら先輩方はそれぞれ違ったコースを担当しており、私は毎回違ったコースを走らなけらばならないからだ。しかも新人で。

初めて走るようなコースでも代打で来たからには先輩たちと同じようにこなさなければならない。先輩の顔に泥を塗るようなことはしたくない。そんな思いで一日一日を何とかしのいでいた感じだ。

しかもトラックは乗り回し無しなので、先輩の担当トラックをそのまま借りて使わなければならない。当然テレビや布団などの私物も多く置かれているし、ピカピカの状態を維持している車輌では余計に気を使う。

業務が終わったら必ず洗車して返さなければならず、これも何気にきつかった。さすがに毎日洗車している人はいないだろうし、中には汚れた状態のまま私に貸し出し、洗車して返してもらおうと考える輩もいたくらいだ。

それでも新人の私は何も言えずに日々の業務に励んでいた。この仕事が嫌いじゃないから特に苦でもなかったのだろう。

そして事件は起きた。

始業前点検

その日も私は先輩の代打で、朝5時に会社に出社し、6時には取引先の荷物を積み込み始めなければならなかった。

会社の事務所に顔を出し、トラックのカギを受け取り駐車場へ向かった。

その日借りた先輩のトラックは、日野の4トン車バネサス使用。ゲート車だ。

トラックの外観を見てまずガッカリした。ホイールナットにカバーがしてある。トラックドライバーなら誰でも見たことのあるアレだ。

これでは運行前点検が面倒ではないか。いちいちナットのカバーを外して緩みがないかを点検ハンマーで叩いてチェックしなければならない。非常に手間だ。

担当の先輩は毎日そんなことをしているのだろうか。疑っても答えは得られないが怪しいものである。

何はともあれ点検はしなければならない。

運転席のドアポケットから点検ハンマーを取り出そうとするが、見当たらない。あれ?会社ではそこに点検ハンマーを入れておき、毎回運行前に点検することが義務付けられているはずだ。

他の場所を探しても見当たらない。この先輩が日ごろの点検をしていないことがこれで確定した。

ここで一度事務所に戻って点検ハンマーを取ってくれば良かった‥‥‥。後悔しても遅いが。

取引先の積み込みの時間が迫っている私は、ナットの緩みを点検せずそのまま出発してしまった。さあ、事件の始まりだ。

走行中の違和感

走り出してから10分くらいだったか。

後輪の方から違和感を感じ始めた。すごく跳ねるような気がする。

バネサスというのはこういうものなのか?

エアサスよりも乗り心地は悪いのは当たり前だろうが、ここまでひどいものなのか。

毎日このトラックに乗務している先輩ならこの違和感にすぐに気が付いただろう。だが初めて乗るトラックと初めてのバネサス乗務だった私には判断ができなかった。

もう少し様子を見ようと走行を続けてしまったのだ。

場所が狭い県道だったし、近くにトラックを一時停止出来るような広場もない。後ろからも車が何台か来ている状況が、私から冷静な判断を奪ってしまっていた。

退避スペースを探す

そしていよいよヤバくなってきた。

誰が乗っても分かるくらいに車が跳ねだした。まるでロデオだ。暴れた馬に必死にしがみついているような感覚だ。バネサスなのかホイールなのか分からないがガッシャンガッシャンと今にもぶっ壊れそうな音を立てている。

その時点で頭の中が真っ白な私は、車を停止させなければと退避スペースを探していた。

だがそこは田舎の狭い県道。都合よく見つからない。その間にも異音は大きくなっていき、跳ねもドンドンひどくなっていった。

明らかにどこかが壊れている。

始業点検をしなかったことが頭をよぎる。きっと先輩と上司にしこたま怒られる弁償させられる。修理代がしばらく給料から天引きだ。いっそ車を放り出して逃げてしまおうか

そんなことを考えているうちにコンビニが見えてきた。駐車場も広くここなら大丈夫そうだ。

左にウィンカーを出し、減速してコンビニの敷地内に入った途端‥‥‥右のリアタイヤが運転席の方まで転がってきた‥‥‥

事態の確認

タイヤは外れて自走不能だが、幸いにも周りに迷惑がかからないところで止まってくれた。

慌てて車から降り、事態を把握しようとするが手が震えてそれどころではない。

邪魔にならないように外れたタイヤを移動しようとするが重くて思うようにいかない。

周囲には折れたボルトやら砕けたナットが散らばっていた。焦げたニオイもする。最悪だ。

リアのタイヤハウスを見てみるとひどいありさまだった。すべてのクリップボルトが熱で溶けて折れている。

おそらくナットが数か所緩んだまま走り続けたせいで他の箇所にも負荷がかかり、脱輪するまでの間にボルトが摩擦熱で溶けてしまったのだろう。

しかし、こうもきれいに溶けるものなのか。

当時の私は手がブルブル震えていて写メを撮るどころの話ではなかったが、今考えると惜しいことをした。撮っておくべきだった。

タイヤを取り付けるのはもはや不可能だ。諦めて会社に連絡して助けを待つことにする。

その間にコンビニの店員さんにも事情を説明し、少しの間トラックを置かせてもらう交渉をした。

取引先にも電話をし、最悪の場合今日は行けないかもしれないという旨を伝えた。

しばらく待つと上司が到着。

現場の状況を写真に撮り、レッカー車を呼ぶか、交流のある整備士に頼んでこの場で修理してもらうかを悩んでいたが、後日レッカー車を呼ぶ判断をしていた。

上司に乗せてもらい会社まで戻る道すがら、てっきり怒られるものだと思っていたが、予想に反して上司は私の体の無事を喜んでくれた。それまで我慢していたが、私は流れる涙を拭うこともなくとにかく謝った。上司は優しかった。今でも忘れない。

その日は家に帰っていいといわれた。詳しい処遇は次の日に持ち越しだ。

処分の決定

次の日出社した私は会議室で待つように言われた。死刑執行前の気分だ。

上司が入ってきて今回の件についての処分が言い渡される。

なんと、おとがめなし!!!!!

え?なぜ?あそこまで大破させたのに?

詳しく説明しよう。

私が脱輪させたトラックの持ち主の先輩。日ごろから業務態度が悪くて事務所でも嫌われていたらしい。

点検ハンマーも積んでいないし、ナットのカバーは長いこと外された形跡がなく、日常点検を怠っていることが上司にばれたのだ。

それだけではない。

なんとその先輩、アルミホイールにスチールホイール用のナットを取り付けて走行していたのだ!なぜそんなことをしたのかはわからない。

おそらく知らなかったのだろう。アルミ用とスチール用ではナットの座面形状が違うから絶対に使用してはならないのだ。

ヘタをすればもっと大事故になるところだった。この程度で済んでよかったと上司は私に言ってくれた。

始業前点検を怠ったことは、点検ハンマーがなかったことと、普段の私の業務態度などを考慮して不問にしてくれた。

代わりにその先輩から修理代金の請求をするとのことだった。

なんだか悪い気もするが上の決定だから仕方がない。

これが事件のすべてだ。

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まとめ

本当にあの時は死ぬかと思いました(笑)。

人生で一番焦った瞬間ですね。点検さえしていれば何も起こらなかったのに、自分の甘さが招いた大事件でした。

それからというもの私は自分で点検ハンマーを購入し、常にカバンに入れておくという習慣がつきました(笑)。

皆さんも運行前は必ず点検しましょうね!タイヤ外れますよ!

それではまた次のブログで。