【フルキャスト】単発の派遣をやってみた。地獄の仕事内容をお話します。

2019年5月8日

世の中はゴールデンウイークとかいう長い長いお休み。しかも今年は異例の10連休らしい。

テレビのニュースを見れば連休を利用して海外に行く家族や観光名所に人がごった返している報道ばかり。

例にもれず私の本業の方の会社も10連休だ。だが、私に遊んでいる暇などない。少しでも家計の足しになればと思い以前から登録だけはしていた派遣会社を利用するときが遂に来たらしい。

人材派遣会社フルキャスト

私はフルキャストという人材派遣会社に登録していた。

バイトや派遣の仕事を探している方なら一度くらいは聞いたことがあるのではないだろうか。

シール張りやピッキング、イベントの会場設営などの仕事を、長期・短期・単発問わず紹介してくれる会社だ。

シフトも完全に自己申告で決められるのでダブルワークの身としてはありがたい。

数多くある仕事内容の中から私が選んだのは、送迎バス付きのコンビニ食品の加工会社だ。

夜勤の時給

日勤と夜勤を選べたが私は夜勤を選んだ。

夜勤の方が時給が1250円と高かったし、夜の仕事は慣れている。

23時50分から8時50分まで、途中1時間の休憩を挟んだ実労8時間だ。

結論から言おう。

そこはちんけなプライドをズタズタにされる環境だった……。

大手コンビニの派遣

私が配属されたのは、日本人なら誰でも知っている大手コンビニチェーンの食品工場、その中のデザート部門だ。

工場に一歩足を踏み入れれば、そこにはゾンビのように虚ろな目で練り歩く派遣やらバイトやらで溢れかえっている。中には少なからず外国人労働者の方も見受けられる。

この時点で心が折れそうだ。だが男なら一度決めた事は最後までやり遂げなければならない。

入室手順

工場に入るにはまず着替えを済ませなければならない。

これは工場からの支給だ。

真っ白な防塵服というものに着替えて髪の毛が出ないように帽子を被りマスクをする。

コロコロで身体中のホコリを取り、手を洗浄・殺菌した後に手袋をする。しかも2枚重ねだ。

やはり食品を扱うだけあってこの辺は徹底している。

指輪などのアクセサリーや香水はもちろん禁止だ。靴下もくるぶし丈以上でなければならない。

仕事開始

私が漠然と持っていた大手コンビニ食品工場のイメージとしては、「始業と同時にまるで歯車のようにひたすら単純作業をこなす」ことだった。

統率もしっかり取れていて、段取りよくムダなく作業が進むと思っていた。

だが現実は違った。

まずみんな同じ防塵服を着ているせいで、誰がこの工場の正社員で誰が派遣なのかがサッパリ分からない。

始業のあいさつも自己紹介もない。

いきなり現場に放り込まれて後は完全に放置プレーだ。

何をやればいいのかを、誰に聞くのかさえ分からない

周りの派遣の方々も同じ状況だ。

おそらく正社員であろうと思われる人達がひたすら動き回り作業の準備をしていた。

こちらの方を見ようともしない。

正社員からしてみれば派遣なんてどうせすぐいなくなるし仕事を教えるだけムダ自分で動いた方が早いという考えなのだろう。

だがそれでは上に立つ者としては失格ではなかろうか。

現に、誰がやっても大差ないであろうこと(トレーを並べたりスプーンを出したり)まで正社員がやっている。

ひと声かけてくれれば我々がやるのに。

そのせいで作業開始が遅れているのは言うまでもない。

意を決して「何か手伝う事はないですか」と聞くと、「待機」と返してくる始末。

結局特に何もしないまま30分程経過して、ようやく本格的な作業の開始となった。

単純な流れ作業

私に割り当てられたのは「抹茶クリームぜんざい」という商品の製造だ。

カップの底部分にひたすらクリームを充填していく。

急がないとどんどん「クリームが硬化するから出来るだけ素早く」と指示を出されたのでとにかく急いだ。この作業をやったことのあるパートのおばちゃんにコツを聞いてからひたすらに充填しまくった。何個こなしたかを数える必要はない。用意されたカップが無くなるかクリームが無くなるかするまで作業を続けるまでだ。

30分もすると完全にコツをつかみ、周りの社員の方からもお褒めの言葉をいただけるくらいのスピードでこなせるようになってきた。

一時間が経過したころには方も腰もガチガチになってきた。もちろん立ちっぱなしだし、慣れない環境となれない作業で緊張して体に変な力が入ってしまったためであろう。

二時間が経つ頃には手先がしびれるようになってきた。食品工場なので室温は低めだ。そのせいで若干の尿意も催してきた。

三時間が経過した。しかしまだまだ終わりは見えない。周りの派遣の方々は順番に休憩に入っているらしい。

ひたすらに作業をこなしてようやくカップすべてに充填をし終えた。

結局私が休憩に入れたのは朝の6時。実に6時間ほど立ちっぱなしで作業していたことになる。地獄だ。ここではこれが当たり前なのだろうか。完全に私の考えが甘かった。

一時間の休憩ではほぼほぼ居眠りをして体力の回復に努めた。

そして再入室をしてまた流れ作業の始まりだ。

日勤への引継ぎ

時間ギリギリまで作業してそこから掃除を始めるのだが、この時点でちらほらと日勤の方々が出勤してくる。

だが、序盤の段取りの悪さが響いてまだ引継ぎが出来る状況ではない。すると日勤の方があからさまに嫌味を言い始める。「これじゃ仕事になんないじゃん」的なことを聞こえるような声で‥‥。

夜勤の正社員と日勤の正社員との不仲な感じが我々派遣にもヒシヒシと伝わってくるが、そんなことを気にしている余裕は1ミリもない。早く作業を終えなければ帰りの送迎バスに乗り遅れてしまう。

終業

本来の終業時間を20分ほど過ぎてからようやく「派遣は帰っていいぞ」と声がかかった。この分の残業手当などは出ない。

入室時と逆の手順で退出し、この日の仕事は終わりだ。帰りのバスの中で泥のように眠ったのは言うまでもない。

1250円×8時間で10,000円ゲット。

お金を稼ぐのは簡単ではないのだと改めて感じた。

私は次の日も同じ場所に派遣されて仕事をしてきたが、すでに何人かは脱落(無断欠勤)したらしく、人手が足りな過ぎて正社員がカリカリしていた。

これで日当10,000円を高いと思うか安いと思うかはその人次第だろう。私は何とか頑張れるレベルではあった。だがこれを本職にしようとは思えない。

ダブルワークはばれる?

会社勤めをしながらダブルワークをしている方は、本業の会社にばれないか心配だろう。

結論から言うと、ダブルワークをしていて何も手続きをしなければ100%ばれる。なぜなら翌年の住民税が上がるからだ。住民税は所得に合わせて上がるので、前年より高くなれば会社の経理が不振に思うのは目に見えている。

ではどうすればいいか。

住民税を自分で払えばいい

会社から天引きになる「特別徴収」ではなく、副業の分は自分で納付する「普通徴収」にしてしまえばいい。これなら天引き分の住民税は前年と変わらないから会社の経理の目もごまかせるだろう。

マイナンバーでダブルワークがばれるとかいう噂もあるが、あれは全くのでたらめだ。そんな個人情報ダダ漏れが許されるはずがない。

市役所に行けば簡単に手続きが出来るし、分からなかったら聞けば大丈夫。あと確定申告も忘れずに行えば本業にばれるリスクを最小限に抑えることが出来るだろう。

面倒だが年に一回やればいいのでそこまで苦ではない。

まとめ

さんざん酷評してきたが、私はこれからも派遣を月に何回かはやっていくつもりだ。シフトに融通が効くし、8時間我慢すれば1万円が手に入る。自分のやりたいことや家計のためなら喜んでプライドなんて捨ててやろう。やるかやらないかはその人次第だが、家でだらだらしながら求人情報を眺めているくらいなら、一度試してみるのも人生経験として悪くないかもしれない。