【ワイザーのパクリ疑惑】日本語ラップを次のレベルへ上げるための過程と捉える。

2019年4月8日

私は日本語ラップを高校生のころから聞いてきて、かれこれ20年近く日本のヒップホップに耳を傾けてきました。

トラックの運転手をしているので、運転中はずっと音楽を聴いていますし、年代やジャンルを問わず自分がいいと感じたものは積極的に聴くようにしています。その方が人生において得だと思うので。

ラッパーはDJが回すトラックの上に乗っかっていますが、私は大型トラックに乗っかっています。なんちゃって(笑)。

リッキーとワイザー

八王子のラッパー「リッキー」が、川崎の「ワイザー」を痛烈批判していることはこのページをご覧のみなさんならすでにご承知のはず。

インスタライブでリッキーがワイザーに対して、「人の曲パクってんじゃねーよ」「自分で曲書いてみろよカス、ガキ」「文句あんならいつでも来いよ」など、アーティストらしからぬ場外乱闘を繰り広げようと突っ掛かっていきました。

ことの真相やこの先の展開はまだ分かりませんが、今回はリッキーが発したパクリ発言を私なりに考察していきたいと思います。

問題の楽曲

リッキーが指摘したのは、YZERRの「BackStage」という曲と、海外のアーティストRODDY RICHの「PROJECTDREAM」という曲のフックの部分のメロディーが似すぎているといいうこと。

似ているというレベルを超えてもはやパクリだという発言をしています。

YZERRはこの楽曲が収められている自身のソロアルバムでiTunes総合一位を獲得していますし、昨年末には自信が所属するBADHOP というグループで武道館ライブ行い、そちらも成功を収めています。

これに対してリッキーは「パクリで武道館やっていきがるな」「ガキだまして金とってんじゃねえ」的な発言を幾度にもわたってインスタライブで発信してきました。

そして今回の問題に対して私が注目したのはリッキーの「ガキだまして金とってんじゃねえ」発言です。これこそワイザーの狙いだったのではないかと私は考えます。つまり…

若いヒップホップキッズのためのセミナーだった?

ワイザーはまだ20代前半で、その破天荒なライフスタイルとUSの最新トレンドを取り入れた楽曲で、若い(10代半ばから二十歳前後)ヒップホップ好きを爆発的に増加させました。

YZERR率いるBADHOP が火付け役となり、日本語ラップはかつてないほどの盛り上がりを見せています。

過去にはZEEBRA,NITRO,KREVA,AK69などのアーティストがオリコンにランクインしたり、なかには武道館ライブを成功させたりと、日本におけるヒップホップは何度となく盛り上がっては衰退するを繰り返してきました。しかし、そんなレジェンドラッパーたちをはるかに凌駕する勢いでYZERRたちは上に上がり続けています。

パクリなのか

YZERRの「BackStage」 と RODDY RICHの「PROJECTDREAM」 。聞き比べてみると確かにフックの序盤の2小節はそっくりです。ワイザー自身もUSのヒップホップヘッズなので参考にしていないと言ったらウソになるでしょう。

ですが、フックの残りの6小節はワイザーのオリジナルフローですし、リリックを引用しているわけでもありません。ワイザーのラップ部分でも彼は素晴らしいラップを披露しています。これを頭ごなしにパクリというのは少し違うと思います。

USのトレンドは日本語でも可能という教科書

つまりワイザーは、「USの最新フローは日本人でもやれんだぞ」ということを証明して見せただけなんではないでしょうか。しかもiTunes総合1位という結果までおまけで付けて。

彼はプライドの高い人間ですから、「USのラッパーにだって俺らは引けを取らないぜ」という気持ちもあったのかもしれませんが、いずれにせよ、USとあくまで対等だということを表現するためにわざとフローを真似たのではないでしょうか。

USアーティストにも関心を向けさせた

さらに今回の一件で、元ネタである RODDY RICHの「PROJECTDREAM」 を検索した人も多いのではないでしょうか。

BADHOP は以前にも「LIFE STYLE」や「KAWASAKI DRIFT」などでパクリ疑惑で騒がれていますが、そのたびにみなさん元ネタを検索しませんでしたか?

実はそれこそ彼らの狙いだったのかもしれません。「自分たちのやってることはこういうことなんだぞ」と若いリスナーに教えるために、あえてUSの最新トレンドも聞くように導くための仕掛けだったのかもしれません。信じるか信じないかはあなた次第です(笑)。

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感想(0件)

AK69やZEEBRAもやってるよ

それでもワイザーがパクリだという人はAK69の「Hollywood」、ZEEBRAの「PartyChecka 」、DS455の「into you」を聞いてみてください。

そして元ネタを調べてみてください。

もうフローからタイトルから…これ以上は何も言いません(笑)。信じるか信じないかはあなた次第です(笑)。

➡➡バッドホップは嘘をついてた??

まとめ

ここまでワイザーを擁護する形で話を進めましたが、私はリッキーの楽曲も好きでちゃんと聴いています。

今回は派手なビーフで盛り上がっていますが、ラッパー同士のいざこざなんて今に始まったことではありませんよね。

これがただの足の引っ張り合いにならないようにお互いのセールスにつなげていただけるように、しっかりビジネスとして終結してほしいと願うばかりです。

以上、おっさんの独り言でした。それではまた次のブログで。